「たまっちゃんのちょっとええ話」と「ポケバイ・KENWOODのコンポ・黒い部屋」

ケンジとの出会いは幼稚園に入る少し前…。突然、母親に手を引かれてケンジの家に連れていかれた時からの幼馴染み
「二人ともこれから、同じ幼稚園なんだから仲良くするんだよ!」

それ以来、家が近いケンジとはよく遊んだ。ファミコン、ゾイド、ザリガニ釣り…ケンジは、色んな遊びを知ってるおませな子供で、お年玉をやり繰りしてオモチャをいっぱい持っていた。遊び場所はいつもケンジの家だった。

幼稚園を卒業すると同時にオイラは引越し…。お互いに小学生になってからは学校が変わってしまって、まったく遊ばなくなった…。それでも当時、町中でチャリンコではなくポケバイを乗り回してるケンジを何度か目撃した。相変わらずおませなアイテムで遊んでるヤツだった。

中学2年の冬…。突然、オイラは同じ学校の不良達に呼び出された。
北中の番長がヒロシの事知ってて呼べって言ってんだけど…、今度の日曜に北中のヤツラと遊ぶから、ヒロシも付き合えや!」

日曜日…。チャリンコで北中まで行くと、そこにはちょっぴり(かなり!?)不良になっていたケンジがいた…。雰囲気はあの頃と変わらない気がしたけど。
幼稚園以来、ひさしぶりに入ったケンジの部屋…。一面の黒い壁に黒で統一された家具。10万円以上するKENWOODのでっかいコンポ、テレビ、ビデオデッキ、ソファー、自分専用の部屋電…。とても中学生の部屋とは思えなかった。新聞配達とお年玉で全部揃えた!と確か言っていた。やっぱ中身は変わってなかった(笑)

一度再会すると、人の縁とは不思議なモノで、中3の受験の時期は近所の土手でちょくちょく犬の散歩をしてるケンジと会った。
「母ちゃんに悪いし、今から勉強して公立の高校に行く事にしたからさ!」
受験が終わり、オイラは隣町の高校へ。新しい高校で同級生とケンカし、先輩からも目を付けられ、オイラはすぐに高校を辞めてしまっていた…。ケンジが無事に、公立の高校に受かったというのは風の噂で聞いていた。

そして高一の夏…。突然、ケンジはバイクで死んだ…。受験前によく会っていたあの土手で…。たしか大雨の次の日で、土手に大量の砂袋が放置されたままなのを避けて…のやり切れない事故だった・・・。
お葬式では、年上の彼女が棺にもたれ掛かりずっと泣いていた…。そして仏壇に、ケンジが買う予定だったバイクの写真が飾られてたのが印象的だった。

お坊さんがお経をあげてる最中、ずっと「ケンジと最後に会って話したのはいつだろう?」と考えていた。確か高校入学してすぐに、一度だけ隣町の駅で少し喋ったのが最後だった。ケンジは新しい高校の先輩と一緒にいて、一言二言だけ会話したけど、なんかそっけない感じがした…。心の中で「アイツちょっと変わったな…」と思って少し切なくなった…。

最後にケンジの綺麗な顔を覗いた時、彼女が泣きながらこんな話をしてくれた。
「ケンちゃんはね…ずっとタマちゃんが高校辞めたの知ってて、すごい心配してたんだよ!それとこれは絶対に言うなって言われたんだけど…タマちゃんが高校辞めて、そこの3年のヤツラがタマちゃんを探すってなった時、ずっとケンちゃんが「あいつは、オレの幼馴染みなんで勘弁してやって下さい!」ってみんなを止めに動いてくれてたの…。ケンちゃん…最後までタマちゃんの事、心配してたから…。」

アイツは変わったと少しでも疑った自分を反省して、やっぱり環境が変わっても、ケンジは幼稚園の頃から何も変わらないヤツだったんだな~と思った…。


現在…東京のオイラの部屋は、中2の頃のケンジの部屋と同じ黒い家具で全て統一しています。いつまでも、あの頃に見たケンジの部屋に憧れてる自分がいます。
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by tamateboxgold | 2006-04-15 03:58 | 東京生活 (2005.5〜)

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